13. Daniel Kahneman博士の「Thinking Fast and Slow」


第13話では、「Daniel Kahneman博士の「Thinking Fast and Slow」」についてご紹介しております。

是非ご覧くださいませ。

======================================================================================================================================================

この本につきましては多くの方はご存知かと思いますし、
同僚も製薬会社のお客様から是非読む様に勧められたと言っておりました。
この素晴らしい本に人事採用の方法が記述されています。

それは採用に当たって重要と思われる因子を6つ特定し、
面接時に全ての因子について数名がスコアを付け、
トータルのスコアが最大であった応募者から採用すべきと云うものでした。
統計、とりわけ重回帰分析ご存知の方であれば、
因子(変数)の重み付けが必要ないという箇所に違和感を覚えたのではないでしょうか。
因子の重み付が必要ないという事は各変数の係数が全て1となり、
単純にスコアを加算して良いという事になります。
しかも、その方法がサンプリングバイアスを消すという意味合いを持つとの事です。
これは言い換えますと、サンプリングバイアスがあるために重回帰分析など必要ない、
単純に変数を足していけば良いとなります。

とは言え、面接時に付けるスコアであれば、正規化は済んでいるので問題ないでしょうが、
実際に他のデータに対し重回帰分析を行う時にはzスコアへの変換等の正規化が必要となります。
またMulticollinearity(マルチコ)を考えると、変数の単純な加算によりスコアの差異が実態以上に
大きくなってしまう事も考えられますので、変数の設定には注意が必要です。

Kahneman博士の採用手法で非常に面白い事は、統計の知識を使わずに出来ることの意味を理解するのに
「統計の知識が必要となる」という事かと思います。同じ議論がシグナル検出でも言えるかと思います。
アリスグローバルのagBalance™を使うと統計、医学及び薬学の知識が無くても数値的には
シグナル検出が出来るのですが、サンプリングバイアス、医学・薬学の知見に基づいた因果関係を
理解しなければ、ただの数字算出ソフトになってしまいます。

今回お伝えしたかったのは、「agBalance™は、製薬会社の皆様のお手元で利用されてこそ日本の医薬品の安全性に貢献できる製品という事を我々は理解しています」という事です。

======================================================================================================================================================

次回の記事は、「ベイズ統計と副作用の分析」をテーマにして投稿致します。